今までは環境にやさしい車という観点から、主に自動車の性能、特にエンジンについて語ってきた。しかし、環境対策を講じられるのは何もエンジンだけではない。燃料そのものを環境にやさしいものへ切り替えようとする動きが活発となっている。こうした動きはサルファーフリー化と呼ばれる。これは段階的にガソリン・軽油に含まれる硫黄分を減らしていこうという取り組みであり、日本では2003年4月以降から硫黄分が50ppm以下に、2005年1月からは10ppm以下のガソリン・軽油が全国で供給を開始されている[11]。政府の規制として燃料に含まれる硫黄分の量が制限されたが、石油連盟が世界に先駆けてこの基準を導入している。この10ppmという基準は1976年までの12,000ppmと比べると実に1200分の1となっており、1997年までの基準であった2000ppmと比較してもはるかに優れたものである。

このサルファーフリーなガソリン・軽油は自動車の排ガス処理装置の性能を十分に引き上げ、また燃費向上を通じて二酸化炭素排出削減に貢献するとみられている。欧米では現在、500ppm以下という規制が標準であり、日本のような厳しい制限のもとでどれほどの環境対策としての効果があるかは未知数である。しかし500ppmという基準ですら従来に比べて40%以上の燃費向上につながっているとする知見がある[12]。